「アシックスのシューズ職人体験」という案内をLINEで見かけたら、申し込みをいったん止めてください。アシックスは2026年10月27日、同社を装う偽イベントの告知から詐欺サイトへ誘導する事例について注意を呼びかけています。
『ハテナのつづき』のナギです。体験イベントの募集に見えると、買い物の詐欺とは違って警戒しにくいですよね。2026年10月30日時点で確認した公式発表をもとに、7月の注意喚起との違い、申し込む前の確認方法、操作してしまったときの対処を整理します。
「シューズ職人体験」は公式の募集?
今回注意喚起されているのは、LINEオープンチャットなどでアシックスの名前を使い、シューズ職人体験をうたう偽広告です。アシックスは、この告知とは一切関係がないと明言しています。
広告には、同社のロゴや商品画像をまねた画像が無断で使われています。見慣れたブランド名と靴の写真が並んでいても、公式の企画だとは判断できません。気になる募集でも、案内先を開いて確かめに行くのは避けたいところです。
ただし、この発表から「アシックスの体験イベントはすべて偽物」と広げることはできません。問題になっているのは同社を装う告知です。ブランド名や体験という言葉だけで決めず、公式に出ている募集かどうかが判断の軸になります。
7月の話なのに、なぜ10月も注意が必要?
「これ、夏にも見た話では?」と思った方もいるはずです。アシックスは2026年7月30日にも、同じシューズ職人体験をうたう偽広告について発表しています。10月27日の注意喚起では、誘導が見られる場所にLINEオープンチャットなどが挙げられました。
| 発表日 | 公式発表に書かれた誘導経路 |
|---|---|
| 2026年7月30日 | SNS広告などを中心とした偽広告 |
| 2026年10月27日 | LINEオープンチャットなどでの偽広告 |
7月の注意喚起があるからといって、終わった話として扱うのは早いんですね。一方で、10月に初めて発生した手口ともいえません。両発表だけでは、同じ運営者なのか、被害がどのくらい増えたのかまでは分かりません。
ロゴやLINEの画面だけでは見抜けない
LINEの中で見かけた案内でも、それだけでLINEやアシックスが内容を保証しているわけではありません。今回の告知は、ブランドを装って外部の詐欺サイトへ誘うものです。投稿が載っている場所と、募集元が本物かどうかは別に考える必要があります。
わたしがここで気にするのは、「見た目が本物らしいから」という安心です。公式が画像の無断使用を指摘している以上、ロゴの有無での判定は頼れません。日本語が自然でも、写真がきれいでも、公式とのつながりの証明にはならないんです。
また、10月27日の発表には、被害額、参加費、入力させる項目などの詳しい記載はありません。「必ずカード番号を求める」「無料なら安全」といった条件を、今回の手口の特徴として決めつけないようにしましょう。
ナギ「本物っぽい」から先へ進まず、募集元を別の入口から確かめたいですね
申し込む前は公式サイトからたどる
確認するときは、投稿にあるリンクやQRコードを使わず、普段利用しているアシックスの公式サイトを開きます。「お客様への重要なお知らせ」で注意喚起を読み、公式の募集案内があるかを調べる順番なら、不審なサイトへ入らずに済みます。
SNSで確かめる場合も、似た名前のアカウントを検索するだけでは迷いが残ります。公式サイトにある「SNS公式アカウント一覧」を入口にすると、同社が掲載しているアカウントへたどれます。表示名やプロフィール画像だけで判断するより確実です。
募集が見つからない場合は、案内の相手に「本物ですか」と返信するより、公式サイトの窓口に企画名を伝えるほうが安心です。問い合わせ先まで投稿の中から選ぶと、確認しているつもりで同じ相手とのやり取りを続けてしまいます。
リンクを開いただけなら、何をする?
すでに開いてしまった場合は、そこで入力や操作を止め、ページを閉じてください。開いたという事実だけで、感染や情報流出が確定するわけではありません。慌てて画面の指示に従うより、何をしたかを思い出すことが先です。
IPAは、一般的なフィッシング対策として、サイトにアクセスしても情報入力やアプリのインストールなどをしていなければ、基本的に被害は発生しないと説明しています。ただし、これは個別の端末について安全を保証するものではありません。
入力以外に、通知の許可、ファイルの実行、アプリの導入などもしていないでしょうか。該当する操作があれば、閲覧だけとは状況が変わります。追加の操作を控え、端末やサービスの公式サポートへ、行った操作を具体的に伝えて相談してください。
情報を送った場合は、内容で対処を変える
「申し込みまで進んでしまった」という場合、入力した情報によって急ぐ連絡先が変わります。以下は今回の偽サイトの入力項目を示したものではありません。不審なサイトに情報を渡した場合の、一般的な対処の目安です。
| 渡した情報・行った操作 | 優先する対処 |
|---|---|
| ID・パスワード | 正規のサイトやアプリから変更。同じものを使う他のサービスも変更 |
| クレジットカード情報 | カード会社の公式窓口へ速やかに連絡 |
| 氏名・住所・電話番号など | 追加で届く不審な連絡に注意し、それ以上の情報を渡さない |
| 銀行振込などの送金 | 利用した金融機関と警察へ速やかに相談 |
パスワード変更も、不審なページに戻って行うのは避けてください。公式アプリや登録済みのブックマークなど、別の入口を使います。カード情報を入れた場合は、利用明細に被害が出るのを待たず、カード会社へ相談することが大切です。
相談前に、何を入力したか、いつ操作したか、実際に支払いがあったかを手元の記録で整理しておくと伝えやすくなります。画面を保存していなくても、撮り直すために偽サイトへ戻る必要はありません。分かる範囲の情報を伝えて、対応を相談しましょう。
LINEの通報と被害相談は目的が違う
オープンチャットで不審な告知を見つけたら、LINEの通報機能で運営側に知らせられます。スマートフォンでは対象のメッセージを長押しし、「通報」から理由を選んで送信します。2026年10月30日に確認した公式ヘルプに沿った手順です。
通報しても、そのことが相手に通知されることはありません。ただ、LINEへの通報はカード停止や返金の手続きとは別です。金銭被害や不正利用がある場合は、利用した金融機関・カード会社と、最寄りの警察署にも相談してください。
支払い・契約をめぐる相談先に迷う場合は、消費者ホットライン188で地域の消費生活相談窓口につながります。相談は無料ですが通話料がかかります。相談に備えて、残っている投稿や相手とのやり取り、支払い記録を保存しておくと説明に役立ちます。
気になる企画こそ、応募の前にひと呼吸
シューズづくりに興味を持ったこと自体は、何も悪くありません。好きなブランドの名前があれば、詳しく知りたくなるのも自然です。その気持ちのまま申し込む前に、公式サイトから募集元までたどれるかを確かめる時間を挟みたいですね。
家族や知人へ企画を共有していた場合は、アシックスが注意喚起していることも伝えてください。不審なリンクをもう一度転送する必要はありません。まずは申し込みを止め、操作済みなら、入力した情報に合う連絡先へつなぐ。その一歩で十分です。





