『薬屋のひとりごと』の李白(リハク)は、猫猫が出世を見込む若い武官です。アニメの声優は赤羽根健治さん。緑青館の白鈴(パイリン)に惚れ込み、自分の力で彼女を身請けしたいと考えています。
園遊会の簪がどうして白鈴との恋につながるのか、気になりますよね。『ハテナのつづき』のナギです。ここではアニメ第1期の第6話・第7話・第21話を中心に、猫猫との出会いや身請けの相談までのネタバレを含めて紹介します。
李白(リハク)はどんな武官?
李白は、鍛えた体が目を引く若い武官。読み方は「リハク」です。猫猫から見ても将来性のある人物で、気さくで人当たりがよく、自分でこうと決めたことは曲げない性格です。後宮の場面にも関わりますが、李白は宦官ではありません。
宮中には、立場や本心がすぐには分からない人物も多いですよね。その中で李白は、白鈴に会いたい気持ちも、彼女を迎えたい気持ちも、行動から伝わる人です。猫猫が相手にすると、思い切りのよさと、思わぬところで振り回される人のよさが同時に見えてきます。
名前の漢字が気になった方もいるかもしれません。唐の詩人・李白と同じ表記ですが、この記事で扱う李白は、猫猫や壬氏と関わる物語の武官です。登場人物を探すなら、作品名に「リハク」や「白鈴」を添えると、同じ表記の人物を区別しやすくなります。
猫猫と李白をつないだ園遊会の簪
二人の接点は、第1期第6話「園遊会」です。宮中の庭に帝や妃、高官たちが集まる華やかな行事で、李白が配っていた簪(かんざし)の一つが猫猫の手に渡ります。その場では小さなやり取りに見える簪が、次の話で後宮の外へ出る手掛かりになります。
第7話「里帰り」で、小蘭は猫猫に、園遊会でもらった簪を使えば後宮の外へ出られると教えます。そこで猫猫が頼ったのが李白です。簪を持っていることと、実際に外へ出られることの間に、贈り主に保証人を頼むというひと手間があるんですね。
李白が渡した簪を、猫猫は里帰りのために使います。持っているだけなら何も起こらない贈り物でも、しきたりを一つ知ると使い道が変わる。猫猫が毒や薬の知識だけで切り抜ける人ではないことも、こういう小さな場面から伝わってきます。
猫猫はなぜ李白に白鈴を紹介した?
猫猫は、外出の保証人を引き受けてもらう見返りに、花街の高級妓楼・緑青館の三姫を紹介する話を持ちかけます。李白は猫猫の里帰りに手を貸し、そこで白鈴と出会うことに。猫猫が地元で持っていたつながりが、後宮のしきたりを動かしたわけです。
三姫とは、緑青館でとりわけ格の高い梅梅(メイメイ)、白鈴、女華(ジョカ)の三人のこと。白鈴を指すときに「三姫の一人」と説明されるのはこのためです。第21話の身請け話でも、この三人をひとくくりにした呼び名が、李白をそわそわさせます。
猫猫が頼み事の相手として李白を選んだことと、李白が誰に惚れているかは、場面を離して考えるとすっきりします。猫猫は里帰りのために李白に頼み、李白はその縁で会った白鈴に惹かれます。第7話で交わした約束が、後から別の人の人生にも関わってくるのが面白いところです。
白鈴の「身請け」ってどういうこと?
ここでいう身請けは、費用を払って、妓女が店を離れられるようにすることです。李白は緑青館へ白鈴に会いに行くだけでなく、いつか店から迎えたいと思っています。白鈴が三姫の一人である以上、李白がその気になればすぐにできる話でもありません。
「身請けしたい」という言葉が出ると、もう二人の結婚が決まったようにも聞こえます。でも、李白が相談しているのは、どうすれば白鈴を迎えられるかです。費用の都合がつくかという話と、二人がその後どう暮らすかという話には、まだ距離があります。
わたしが気になるのは、白鈴には店で積み上げてきた仕事と暮らしがあることです。李白の熱心さが伝わる場面だからこそ、迎えに行く人の決意と、迎えられる側がその先をどう考えるかは、それぞれの気持ちとして見ておきたくなります。
第21話で李白が慌てた理由
第1期第21話「身請け作戦」で、李白は三姫の誰かが身請けされるという噂を耳にします。相手の名前がはっきりしないぶん、自分が迎えたい白鈴かもしれないと落ち着きません。そこで、白鈴を紹介してくれた猫猫を呼び出して相談します。
真剣な相談のはずが、猫猫は李白に服を脱ぐよう求めます。白鈴の好みに合うかを確かめるためですが、話の持っていき方がいかにも猫猫。李白にとっては先を越されるかもしれない切実な話なので、真面目に応じようとするほど、やり取りのおかしさが増します。
アニメ展のメイキングでは、羅漢と鳳仙の物語に進む前に、李白と白鈴のまっすぐな恋を置くことで、見る人の気持ちを落ち着ける狙いがあったと明かされています。第21話の軽やかさは、李白の人柄だけでなく、そのあとに続く物語との並びにも関係していたんですね。
なぜ壬氏の申し出を断った?
事情を知った壬氏は、李白に身請けの費用を出そうと申し出ます。白鈴を早く迎えたい李白には、ありがたい話にも見えますよね。それでも李白は、自分の力で白鈴を迎えたいと考え、申し出を断ります。どれだけ早く迎えられるかだけで決めたわけではありません。
猫猫には相談しているので、李白は人の助けを何でも遠ざける人ではありません。白鈴のことを知る相手には知恵を借りる。それでも身請けにかかる費用は自分で用意する。この二つの行動を並べると、李白がどこを自分の責任として引き受けたいのかが見えてきます。
結局、その噂は白鈴のことではなく、第21話で李白が白鈴を身請けするところまでは描かれません。焦りから相談を持ちかけた回ですが、李白がどんなつもりで白鈴に向き合うのかが分かります。「身請け作戦」という題名だけで結婚の回だと思っていたら、ここが迷いやすいところです。
ナギ早く迎えたい気持ちと、自分で迎えたい気持ち。李白は両方を抱えているんですね
声優は赤羽根健治さん
アニメで李白を演じるのは赤羽根健治(あかばねけんじ)さんです。キャスト欄では、李白の名前と読みの「リハク」を目印に探せます。白鈴の名前は「パイリン」と読みます。二人の名前が漢字で表示されているときは、読みも一緒に覚えておくと会話を追いやすくなります。
李白の人柄を台詞の調子から捉えたいなら、第7話で猫猫の頼みを受けるところと、第21話で壬氏の申し出に答えるところが手がかりになります。どちらも相手から持ちかけられた話ですが、一方では話に乗り、もう一方では自分で引いた線を守ります。
李白と白鈴を追うなら何話から?
二人の関係が始まるきっかけから知りたいなら、第1期第7話「里帰り」から。李白の簪を使う理由や、緑青館へつながる話が分かります。園遊会でのやり取りからたどりたいときは、一つ前の第6話「園遊会」も続けて見ると、簪が役に立つまでの流れがつながります。
白鈴を身請けしたい李白が何を選んだのか、そこを見たいなら第21話「身請け作戦」です。第7話では猫猫から頼られた李白が、第21話では猫猫を頼る側に回ります。間に白鈴がいることで、二人の関係にも、園遊会のころとは違う親しさが感じられます。
李白の表情に注目するなら、白鈴の噂を気にしているときと、壬氏の提案に答えるとき。慌てて猫猫のもとへ来た人が、その場で差し出された近道には飛びつかない。その変化を見るだけでも、どうしてこの武官の恋を応援したくなるのかが少し分かる気がします。





